導入事例

税理士法人 小林会計 様

2020年10月

従業員30~99名/会計事務所

社員のエンゲージメントとコミュニケーションの可視化/RUFT調査

栃木県宇都宮市で1982年の創業以来、長年にわたり、地元の会計事務所として地域のお客様から厚い信頼を得て、日々の会計業務をされている小林会計事務所。税理士業務、経理会計業務、決算業務、経営コンサルティング等、幅広いサービスを提供されています。所長の小林さんは、『お客様満足の追求』をテーマとし、『お客様と私達は常に繋がっている。』との哲学によって事務所を運営されています。社員とのコミュニケーションや社員のエンゲージメントについても研究熱心であり、様々な経営セミナーに参加、理念を明確にし、自分たちの理想を求めて、日々熱心に社員と向き合っていらっしゃいます。今回、RUFTエンゲージメント調査を実施された目的と実施後の感想を小林所長にお伺いしました。

お話し頂いた方

税理士法人 小林会計

所長 小林 恒夫様

理念を大切に経営しています。

ー小林所長が、RUFTエンゲージメント調査をされたきっかけを教えてください。

小林様:当社は、栃木県宇都宮市を拠点とした税務会計事務所として、40年近い歴史があります。自分が事務所を開設した後、どのように事務所を運営していくか、いろんな思いの中で今日に至っております。現在は、小林会計グループとして、会計事務所と株式会社小林総合研究所を運営しております。自分の経営における根幹は、理念です。それは、『主体性、関係性、多様性』という3つの軸で成り立ち、それぞれに意味があります。コロナ前は、理念は、毎朝唱和して、社員と共有していました。理念の解説文もあり、その文章を読んで、社員の理解を深めておりました。理念は、行動の原点であり、一人ひとりがお客様と向かう仕事だからこそ、理念をベースに社員に行動してもらいたいという思いです。その意味で、社員とのコミュニケーションはとても重要です。実は5年前にも、コミュニケーションについて社員アンケートを取ったことがあります。今回、改めて、その時とどう変化しているかも確かめたく、コミュニケーションや、合わせて最近話題になっているエンゲージメントについて調査したいと考えました。

ーなぜRUFT調査にしたのですか。

小林様:取引先のクライアントの紹介で、RUFTの説明を聞きました。コミュニケーションがテーマというRUFTの考え方が、自分の考え方と合致して、この調査は価値があると直感でわかりました。経営パートナーである、もう一人の役員とも相談して、実施を決めました。RUFTからは、そのバックボーンとなる考え方である『Love-Based Company -ガゼル企業成長の法則-』の書籍の紹介も受けておりました。『Love-Based Company』は、理念をベースに社員を会社や仕事につなぐ、エンゲージするという哲学です。自分は、理念を大事に経営していますので、この点もRUFTを選んだ理由になります。RUFT調査は、組織のトップ、ミドル、一般社員の3階層におけるコミュニケーションを網羅的に調査、分析します。理念を作って、社員と共有することは、まさにコミュニケーションであり、それぞれの階層において、どの程度自分の理念が浸透しているか、社員がどう思っているか、そこが知りたいと思っていました。コミュニケーションが点数化されて通知表のように表示されることは、内心怖いなという気持ちもありましたが、自分の会社をもっと成長させていきたい、社員を成長させたいという強い思いがその迷いを断ち切りました。

ーどのような流れでしたか。

小林様:当社の社員は大きく、正社員とクルーと呼ぶ契約社員に分かれます。組織も課単位で、複数の組織に分かれています。RUFTには、当社の組織や人数を伝えて、最適な形でのアンケート調査を依頼しました。アンケート調査の前に、私と、もう一人の役員に対するインタビューが実施されました。自分のインタビューでは、創業からこれまでの発展の歴史、経営哲学、社員とのコミュニケーションについてお話ししました。毎月の会議の開催、幹部との連絡、コロナによってオンライン会議が増えたこと、社員旅行や評価制度といった面も説明しました。その後に実施されたアンケート調査については、専用URLでの回答でしたので、社員もストレスなく回答できたようです。実際に、正社員、クルーの別なく、全員の回答が集まりました。

自分の思いと違う部分を発見できました。

ー調査結果はどうだったのですか。

小林様:調査結果は、数値化されたコミュニケーションとエンゲージメントに関するデータと属性別の比較のグラフ、社員の生の声でした。エンゲージメントについては高い数値になっており安心しました。やはりプロ集団として、仕事そのもののやりがい、楽しさ、プロ意識があることが確認されました。一方、コミュニケーションについては、コロナの影響もあってか、もっと積極的なコミュニケーションが必要とわかりました。自分が日常的な会話の中で感じていたこともデータには反映されていましたが、一方で、社員の生の声を見ると、自分の思いと異なる気持ちを抱いている社員もいることがわかりました。コミュニケーションは双方向です。自分のメッセージが相手にどのように伝わっているか。そのことを考えさせる社員の声もありました。このことを踏まえて、コミュニケーションのあり方について、これから考えていきたいと思います。

ー調査結果で何か気づきはありましたか。

小林様:先ほども述べましたが、自分と社員との間で、コミュニケーションが一方通行にならないようにすることの大事さを理解しました。また、コミュニケーション満足度の面で、RUFTから、一般的に管理職の方が一般職より満足度が高い傾向があるのに対し、当社は、そのような傾向になっていないとの指摘を受けました。満足度とは、期待値と現実とのギャップです。期待値が高ければ、満足度は低くなります。当社の管理職は、真面目な性格であり、自らの期待値を高く設定したのではないかと考えられます。先にお話しした生の声についても、いろんな気づきがあります。社員がそれぞれの思いや考えで意見を述べてくれます。一人一人の意見を大切に、これからの社員とのコミュニケーションを考えていきたいと思います。

RUFT調査を広く経営者にお薦めしたいですね。

ー調査結果を利用して次のアクションはありますか。

小林様:自分が理想としていることに、『全ての人に同じ態度を取れるような関係性。』ということがあります。好きな人、嫌いな人。人間だれしもそういう相手はいると思います。全ての人に同じように接する。なかなか出来ないことですが、その理想に少しでも近づけるように、コミュニケーションの工夫をしていきたいと思います。RUFTからは、コミュニケーションとエンゲージメントについて、多面的な提案を頂きました。特に、ミドル層との理念共有を示唆されました。それらを参考にしながら、理念を経営の中心に据える『Love-Based Company』になれるように、社員と一緒に考えながら、会社を大きくしていきたいと思います。

ー最後にRUFT調査を実際にやられてみて注意点やメッセージはありますか。

小林様:注意点はありませんが、理念やコミュニケーションというテーマは、そのことに対する思いが強い経営者にとっては、RUFT調査は通信簿の面があり、結果に対する不安感はあると思います。自分が一生懸命行っていることに対する評価が低かったら嫌だなという感覚です。しかしながら、もっと会社をよくしていこうと真剣に考える経営者なら、むしろこのような調査を受けて、現状を正確に把握して、正すべき部分は正すという態度も必要と思います。当社は、様々なクライアントに経営コンサルティングを行っています。もちろん、会計数字に関することが多いですが、コミュニケーションやエンゲージメントといった、会社のソフト面も大事です。今回、当社が実際に調査を受けてみて、その有効性を確認でき、新たな気づきも多いということが、とても印象的でした。可能でしたら、当社のクライアント企業にも、RUFT調査を使って、社員のソフト面での調査もどうですかとお薦めしたいと考えております。

ー本日は、ありがとうございました。

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