導入事例

株式会社サンテック 様

2020年12月

従業員100名~299名/精密部品メーカー

社員のエンゲージメントとコミュニケーションの実態調査

航空宇宙、防衛産業向けに、他社には真似できない精密な部品を製造、供給するメーカーであるサンテック。川崎工場と山形工場の2工場で、100名を超える従業員を擁し、人工衛星用のマイクロ波通信向け導波管に代表される様々な精密加工品群を製造、大手システムメーカーに供給しています。お話をお聞きした清水社長は、4代目の社長として、同社の成長を牽引しています。技術力の向上には非常に熱心で、多様な部品の製作加工のために、最新鋭の工作機械を導入し、日々、社員とともに、先端加工技術と伝統技術の融合による技術研鑽に取り組んでおられます。RUFTエンゲージメント調査を実施された目的と実施後の感想を清水社長にお伺いしました。

お話し頂いた方

株式会社サンテック

代表取締役 清水 睦視様

社員が不安を感じていると思っていました。

―清水社長が、RUFTエンゲージメント調査を実施した理由を教えてください。

清水様:当社は、1968年、昭和43年に設立された会社です。私は、4代目の社長です。現在は、川崎と山形の2拠点の体制で、合計100名以上の従業員が働いています。精密部品メーカーとして、NECグループ他、大手のシステムメーカーに特殊な加工品を製造、供給しております。技術力を重視し、現場を大事にしている会社です。私が社長に就任してから5年以上経過しますが、社長就任時に「モノづくりは、ヒトづくりから」という理念と、サンテック八訓と呼ぶ社員の行動基準を作成して会社経営の指針にしております。この間、評価制度の改定も含む大きな機構改革を実施し、会社の組織作り、ヒトづくりを行ってきました。社員の協力もあり、新しい組織体制が整備されつつあります。コロナの影響は、当社のような工場経営にも影響を与えております。今回、モノづくりの現場で、社員がどのように感じているか、一度、社員の気持ちを直接調査してみたいと考え、RUFTにお願いしました。

-なぜRUFTを選んだのですか。

清水様:東京工業大学の同窓会組織である蔵前工業会の中に、当社のような規模の成長企業やベンチャー企業を支援する組織があります。蔵前ベンチャー相談室(KVS)と言いますが、ご縁があり多面的に業務面のご支援を頂いております。KVSから、RUFTの紹介を受け、ちょうど自分が調査してみたいと考えていた内容と一致したこと、まずは調査してみないと始まらないという気持ちから、その場で実施することに決定しました。

-調査は順調に進みましたか。

清水様:経営企画部門が窓口になり、川崎工場と山形工場のそれぞれにRUFTアンケート調査票のWEB URLをメールで配布して、社員にアンケートへの回答を促しました。現場では、パソコンがない社員も多く、全員の回答を得ることはできませんでしたが、パソコンがある社員のほとんどは回答してくれました。URLをクリックして回答するだけなので、難しいことはありませんし、回答内容も直接RUFTのWEBサイトに格納されるため、当社で内容を見ることはできません。中には、個人が特定されることを心配する社員もありましたが、WEBサイトの仕組みから個人の特定はできないことを説明し、納得して調査に協力してもらいました。RUFTアンケートの前には、RUFTからのインタビュー調査を私が受けて、経営者としての課題意識をRUFTと共有しました。RUFTは単なるWEBアンケート調査だけではない点が他の調査とは異なり、より深い意味での調査だなと感じました。

意外に社員は情報を欲しているとわかりました。

-報告会での調査結果はどうだったのですか。

清水様:社員のコミュニケーション満足度(ECS)とエンゲージメントの関係性は、他社と同様に強く出ておりました。ECSが高い社員は、エンゲージメントも高いことがはっきりしました。調査した社員の点数分布が会社全体ではっきりわかり、一人ひとりの社員の感じ方の違いが明確になりました。ECSを横軸にエンゲージメントを縦軸にグラフ化したときに、横軸は左から右に、縦軸は下から上にいくほど点数は上がっていきます。従って、右上に分布する社員は、ECSもエンゲージメントも高く、逆に左下に固まっている社員は、ECSもエンゲージメントも低い社員となります。この左下の部分にいる社員のECSを上げて、エンゲージメントを上げていく必要性が、経営としてよくわかりました。

-調査結果の中で気になる点はありましたか。

清水様:やはり、非公式のコミュニケーション、横のコミュニケーションは、本当に足りないんだということがはっきりしました。コロナの影響もあり、みんなで騒ぐ機会が非常に減りました。当社だけの話ではなく、社会全体も鬱積している状態と思われますが、そのムードそのままに、社員も晴れ晴れしない気持ちがあるんではないかなと感じています。社会や将来に対する不安感、心理的な安定感が気になります。以前は飲み会を開催すると、結構、みんな大騒ぎして、楽しんでくれました。こういう雰囲気がとても大事だと思います。この機会に、社員同志のコミュニケーションについて、施策を考えていきたいと思いました。また、評価制度を変更して、まだ定着していない状況という事情もあり、評価制度について、もっと説明して欲しいという意見が出ました。こちらも、丁寧な説明を増やして、特にマネージャー層、ミドルクラスへの教育、研修を増やし、彼らの理解を深めて、彼らがきちんと部下に説明できるようにしていきたいと考えました。

コミュニケーションに焦点をあてて、ここまでわかるのは素晴らしい。

-調査方法や調査結果についてご意見はありますか。

清水様:今回、全てオンラインでの調査でした。私のインタビューや報告会もオンラインです。もちろん、社員アンケートもWEBです。コミュニケーションに明確な焦点をあてた組織調査は初めてでした。報告会での内容を聞いて、多くの気づきが得られました。報告書の内容は、自分達が何となく感じていた内容でもあるし、それらが数値化されて、本当にわかりやすい。社長としての課題もはっきりしました。今回の調査で、自分は結構、情報をオープンにしているつもりでしたが、社員はもっと情報が欲しいという気持ちがわかりました。まずは情報共有と感じています。知っているか、知らないか、この違いで、社員ひとり一人の判断も変わってきます。正確な情報をタイムリーに提供していきたいと思います。そして、何よりも、現場でのコミュニケーションを活性化していきたいと思います。現場の社員に、お客様の気持ちを伝え、現場が努力して達成したことが、お客様の評価につながっていることも話していきたいと思います。活性化のための具体的な施策を、いろいろ考えていきたいと思います。

-最後にRUFT調査についてメッセージはありますか。

清水様:繰り返しになりますが、社員のコミュニケーションをこれほど多面的に調査し、経営の観点でいろんなことがわかる、気づきがある調査は初めてです。社員のコミュニケーションは、会社経営の根幹です。社員が心理的な不安を感じていることも良く分かりましたし、社員が社内コミュニケーションのどこに不満を感じているかも理解できました。今後は、調査結果をもとに、具体的なアクションを考えていきたいと思います。RUFTには、引き続き、施策検討、施策展開においても相談したいと思います。

-本日は、ありがとうございました。

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