導入事例

アクロクエストテクノロジー株式会社 様

2020年10月

従業員30名~99名/IT企業

社員コミュニケーションの実態調査

1991年に設立された最先端IT技術企業のアクロクエストテクノロジー株式会社。「働きがいのある会社(Great Place To Work:GPTW)」国内ランキング(従業員25~99人部門)で、2015年1位、2016年1位、、2017年2位、、2018年1位という輝かしい賞を受賞した企業です。同時に、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」において、審査委員会特別賞を受賞(2015年)、「はばたく中小企業・小規模事業者300社」(2016年)にも中小企業庁から385万社の中から選定されています。このように数々の素晴らしい賞を連続して受賞する秘密は何か。その社員コミュニケーションは本当に凄いのか。この点を確かめるためにRUFTから調査依頼を行い、特別に調査にご協力頂きました。コロナ後のテレワークの状況をものともせず、従来ながらのコミュニケーションをリモートの状況でも続けています。更に、「組織いきいき実践勉強会」と題して、自社のノウハウを惜しみなく他社に公開、実践的な組織変革コンサルティング活動も行っています。非常にオープンな会社で、今回のRUFTからの依頼にも快く応じて頂きました。RUFTエンゲージメント調査を行ってみて、その感想を組織価値経営部マネージャの鈴木さんにお伺いしました。

 

お話し頂いた方

アクロクエストテクノロジー株式会社

組織価値経営部 マネージャ 鈴木 達夫様

働きがいのある会社(GPTW)へは確認のために応募しました。

―なぜ「働きがいのある会社」に応募されたのですか。

鈴木様:応募は、自分の発案です。自分たちの会社は、全体会議を通して全員で話し合いながら作ってきました。「働きがいのある会社」へは、自分たちの会社が、世の中にどれほど通用する楽しい会社であり、働きがいのある会社なのか、外からの評価を確認できるのでは、と考えて応募しました。2014年の初年度は4位、2015年、2016年は1位、2017年は2位、2018年は1位です。「全員の本音のコミュニケーションを大事にする。」という会社創りに対する自分たちの基本的な考え方が、結果として、社会でも通用すると評価されたことをうれしく思いました。社長の新免が、当社創業前の前職で、会社のために自分の言いたいことを言ったら会社に居づらくなったという経験から、自分の会社は、「文句があるなら、正面で言いあえる職場」という社風にしました。2000年ごろからスローガンを作って、ストレートに何でも話せる雰囲気を作っています。

-具体的にコミュニケーションはどんな風にされていますか。

鈴木様:朝、昼、晩とグループ単位で15分程度の情報交換会を実施しています。リモートワークになって、なおさら、ランチの時間は、社員同士のコミュニケーションの場としてリモートで一緒に食べるように推奨しています。月に一回は、MA(全体会議)と称して、全員で話し合う場があります。社員から議題を出してもらい、みんなで議論して、社内のルールや仕組みを全員で決めていきます。社内ルールや仕組みは、経営者が一方的に作っても社員に受け入れられないと考えました。そこで、自分達で作ったら、受け身にならず、当事者として実践するのではないかと考え、全員で話し合って決める形になりました。理念も、「バリュー」と呼んでいますが、それも、社員みんなで決めて、一冊の理念集にして、みんなの価値観を一致させています。このアクロバリューは、毎年4月の、全社員参加の新人歓迎会の中で加筆修正されます。それ以外にも、誕生日には、「花一輪」を各自が買って、本人の机の上にある花瓶に「お誕生日おめでとう」と言って花を挿していく習慣や、「ホメキンコン」という、サンクスカードの仕組みもあります。社員同士のランチ会、社員と社長、副社長とのランチ会もあります。現在は、これらの仕組みを、対面からリモートの仕組みに切り替えて継続しています。リモートになったからといって全く不便はなく、それまでと同じように運用されています。実は、リモートになって、社員一人ひとりの顔が良く見えるようになったという利点も出てきました。

-給料の査定も全員で行うと聞きました。

鈴木様:いわゆる360度からの評価です。給料の年度査定を社員全員で行います。各自が達成したことを申告してもらい、全員で評価します。導入当初は、夜遅くまで、全員の査定が終わらないこともありましたが、毎年の運用の改善により、現在は、それほどの負荷もなく運用できています。IT企業として、技術やプロジェクトの成果の評価はもちろんのこと、会社のイベントやアクティビティの企画、参加などの貢献結果、さらに、Acro人としてのマインドセットの在り方など、総合的に評価します。とにかく、本人が、自分の評価に納得するまでとことん話すこと、徹底的なコミュニケーションを大事にしています。

RUFT調査結果は非常に高得点でした。

-調査結果は予想通りでしたか。

鈴木様:2018年に「働きがいのある会社」で1位になったことを最後に、この手の調査は積極的に行っておりませんでした。RUFT調査でも高得点であったことで、自分達の会社は「今までのように継続ができている」と、その後についても確認することができました。全員がリモートワークになり、少し不安もありましたが、リモートでも、従来の対面でのコミュニケーションと同じように、頻繁に、率直、オープンなコミュニケーションを継続していることが、高得点を頂いた要因ではないかと思います。

-調査について意見はありますか。

鈴木様:自分達がベンチマークということではありませんが、「働きがいのある会社」での高得点と、RUFT調査における高得点は相関性があるように思います。つまり、RUFT調査で高得点を取れるような会社は、「働きがいのある会社」でも高得点を取れる可能性が高いということです。当社は、コミュニケーションに特に気を使っております。RUFT調査はコミュニケーションに軸をおいた調査です。「働きがいのある会社」や「エンゲージメント」という指標を高めるためには、やはり、社員のコミュニケーションが根本と確認できました。社員のコミュニケーションを分析し、足りない部分を様々な施策で補っていく、社員がいきいきと働ける職場、社員一人ひとりがそれぞれの思いで幸せを実感できる会社にすることが大事であると再確認できました。この考えは、RUFTが提唱する「Love-Based Company」にもつながると思います。

新卒採用は東大、東工大、早稲田、慶応といった一流大学卒が多いのです。

-東工大卒が全体の40%近いのはなぜですか。

鈴木様:当社には、東大、東工大、早稲田、慶応といった一流大学卒の新卒の方が毎年入社してきます。IT企業ですので、理系の学生がメインですが、特に東工大からは多くの人材を採用できており、社員全体の40%弱は東工大卒です。非常に論理的な頭脳を持ち、真面目で、仕事の飲み込みも早い優秀な学生さんたちです。「働きがいのある会社」であるという評判と、当社独特のカルチャーに魅力を感じてくれた人が入社してきます。当社のように、ここまで徹底的に社員とのコミュニケーションを考え、社員と一緒になってルール作りから実際の取り組みまで行っている会社はないのではないでしょうか。採用側としても、真に当社と価値観があった学生しか採用しません。彼らは本当にロイヤルティが高く、会社への帰属意識が高い人たちです。社員の44%以上が10年以上勤務しており、また、15%以上が勤続20年以上の技術者です。当社がIT企業として、小さいながらも、先端技術を極めて成功できている理由はここにあります。

-最後にRUFT調査に何かご意見はありますか。

鈴木様:今回、当社の結果が、これまでRUFTが調査した会社の中でベストスコアとお聞きしました。嬉しいことです。自分達がやってきたことが正しいとわかり、もっと、もっと、このノウハウを世の中に広めていきたいと強く感じました。自分の部署は、組織価値経営部という少し聞きなれない名前です。その目指すところは、当社で実践し成功してきた組織上の仕組みを研修やコンサルティングを通じて、同業他社、或いは別の業種、業態の企業にお伝えすることです。書籍もこれまで2冊、『会社を元気にする51の「仕組み」』(2015、日本実業出版社)と『給与も賞与も、社員みんなで決めています。』(2019、あさ出版)を出版しました。ぜひ、この機会に、多くの企業で参考にして頂き、当社が実践している活動について、研修等によってノウハウを習得して頂きたいと思います。RUFTとも、今回のご縁を維持しながら、組織価値を大きくしていく活動がご一緒にできればいいなと考えています。

ー本日は、ありがとうございました。

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